空前の米不足、転売ヤーが炊く前の湯気まで瓶詰め
米不足が深刻化する中、転売界のイノベーターたちはついに“炊く前の湯気”を瓶詰めし『ゼロカロリー米体験』として販売開始。一本3,000円ながら『炊飯器と同じ香りがする』との高評価レビューで品切れ続出、消費者庁も頭を抱える。
米不足が深刻化する中、転売界のイノベーターたちはついに“炊く前の湯気”を瓶詰めし『ゼロカロリー米体験』として販売開始。一本3,000円ながら『炊飯器と同じ香りがする』との高評価レビューで品切れ続出、消費者庁も頭を抱える。
全国でコメの在庫が干上がる一方、市場にあふれたのは“見えない主食”だった。多くの家庭で「炊飯予約ボタン」の隣に並ぶのは、ラベルに稲穂ではなく水滴をデザインした120mlの小瓶。内容物は、米粒どころか分子レベルで質量を感じさせない湯気のみ――それでもSNSでは「味覚に負担ゼロ」「ダイエットにも優しい」など、空腹と空論を見事に両立させた絶賛コメントが飛び交う。
発案者とされる匿名転売ヤーは、原価を問われ「水道代と電気代を気分で按分したら一瓶4円」と豪語。粗利7,400%を達成した計算だが、同氏は「庶民価格を守るため涙をのんでこの値付けにした」と胸を張る。買い占め防止の名目で一人二本までの個数制限を設けた結果、長蛇の列はかえって増幅。行列経済学の教科書に新たな具体例が加わった。
消費者庁は「単なる水蒸気ではないか」として調査に乗り出したが、担当官は試飲後「確かに米の幻影を感じた」とコメント。省内からは「幻想を規制する法的根拠が薄い」との弱音も漏れ、書類作成のインクだけが確かな物理量を主張している。米農家団体は「湯気より実体を買え」と叫ぶが、若年層には「湯気こそ究極のサステナ飯」としてエシカル消費の象徴に祭り上げられる始末だ。
健康面の議論も過熱し、カロリーゼロ派と栄養ゼロ派がネット上で激突。栄養士は「唾液しか摂取していない」と危機感を示すが、香り信仰派は「プラシーボで十分に満腹中枢が働く」と応酬。医療機関は“香り貧血”なる新語を考案。診断書ビジネスで静かに追随する。副作用は空腹時の空耳とされるが、聞こえるのは「グゥ」と自分の腹だけで錯覚ではないかという声も根強い。
経済学者は「空気は有限」と真顔で警鐘を鳴らす。瓶詰め湯気の急騰で炊飯器メーカーの株価が連れ高になり、ついには瓶詰め前の“未蒸発水”先物まで上場。市場はすでに湯気の前兆をも取引する先物相場へ突入し、かつてのチューリップ狂騒も顔負けのバブルが膨らむ。だがバブルの本質が空気である限り、破裂の際に飛び散るのも結局空気。投資家はリスクに強気だ。
環境団体は「水循環の私物化」と非難するが、転売業界は「排出された湯気はすぐ雲になり、やがて雨として還元される。持続可能性100%」と反論。
炊飯器のスイッチを押す前に湯気を売る――この倒立した因果が、飢餓も飽和も一つの瓶に閉じ込める。日本経済の腹の虫は、今日もシューッと虚空を鳴らしている。
関係者のコメント
- 転売プラットフォーム運営者「当社は湿度をキャッシュフローに変える革新企業です」
- 消費者庁職員「湯気はつかめないが、責任だけは握らされた」
- 近所の主婦「香りだけで夕飯済むなら、皿洗いが楽で助かるわ」
- 炊飯器(擬人化)「中身をすくう前に外気が儲かるとは、思わず釜が鳴った」
- 湯気(本人)「私は自由形が得意だが、瓶詰めは正直キツい」
- ボトルメーカー「中身が無い分、割れにくさをアピールしにくい」
- 栄養学者「ここまで空腹を芸術に昇華されたら黙食も推奨せざるを得ない」
- 米農家代表「蒸気に先行権を取られた。次は稲穂の影でも売るか」
- コンビニ店員「レジでバーコード読み取るとき、何も入ってないと音が高い気がする」
- ダイエットアプリAI「ユーザー摂取カロリーを0で割り、バグを起こしました」
国際表現
俳句
- 湯気籠めて 空腹ごと売る 初夏かな
- 無米日に 香りで炊ける 夢の釜
- 瓶の雲 握れば消える 富の音
- 空売りの 湯気で咲くのは バブル花
- 茶碗空 笑う転売の 影踊る
- 香りのみ ご飯のフリで 腹膨れ
- 蒸気立ち 消費者庁の 眼鏡くもる
- 湯気三千 霞む給与の 行き先よ
- 米不足 月へ願って 湯気届く
- 湯気買って 心の腹筋 割れにけり
漢字
米不足深刻転売瓶詰湯気零熱量米体験高額需要混乱行政困惑
絵
🍚❌💨🥫💴🤔
擬
シューッ…モクモク…カチッ、パシャン、フワ〜ッ
SNS
- #瓶入り湯気爆買い
- 湯気なのにプレ値とか草
- #ゼロカロリー米最高
- 消費者庁も空振りワロタ
- まさかの蒸気で腹持ち説
- 炊飯器さん労働前に完売
- #匂いだけダイエット
- 湯気先物で一攫千金!
- 香り課税まだですか?
- 米粒より軽い財布が完成