壁に貼れば推しが掃除監督 ARポスター、指示と課金の嵐
壁に貼るだけで推しがARで出現し、「ここ汚れてるよ」と指示を飛ばす新作ポスターが発売。ファンは歓喜しつつ“大掃除課金”の無限地獄に突入している。

壁に貼るだけで推しがARで出現し、「ここ汚れてるよ」と指示を飛ばす新作ポスターが発売。ファンは歓喜しつつ“大掃除課金”の無限地獄に突入している。
国内芸能テック企業「虹映社」は10日、専用アプリを起動したスマートグラス越しに、推しアイドルの3Dホログラムが部屋を採点しながら掃除を指揮する「Clean♡Meポスター」を発売した。紙面はA2サイズ、価格は税込1,980円。「お手頃」と思わせておいて、実際の収益源は“汚れ検知マイクロトランザクション”だ。アイドルが指さした床のシミをタップすると50コイン(約110円)が消費され、励ましボイスと掃除手順動画が再生される仕組み。床・棚・ベッド下と面積が増えるたび、財布もほこり高く舞う。
虹映社は「推しに褒められながら家が片付く一石二鳥」と胸を張るが、ユーザーは早速「一石二鳥玉突き支払い」と呼ぶ事態に。アプリは部屋を1センチ四方のグリッドに分割し、「まだ残る!」と煽る通知を10秒ごとに送出。累計500マスを掃除すると“ご褒美ライブ”が解禁されるが、そこでも「もっとピカピカならアンコール」と追課金が発生する。コンプリートした頃には部屋よりカード明細のほうが灰色だ。
技術面では、家具の輪郭をリアルタイムで抽出する画像処理と、汚れ度を識別するAIを搭載。「汚れの具」は光沢差分で測り、僅差でもアイドルが眉をひそめる演出を追加した。「心理的圧」は従来比220%と同社は誇示。江戸期の年貢徴収票が泣いて土間に転がる勢いだ。
市場調査会社ピカピカ総研によると、発売初日のダウンロード数は32万件。平均利用時間は1日42分、平均課金額は7,800円と、掃除より指示待ち時間の方が伸びた。専門家は「命令される快感と自己実現を同時にくすぐる新手の家事ガチャ」と分析。「昭和の母の小言を有料化しただけ」と指摘する声もあるが、母は音声アップデートを拒否している。
一方、消費者庁は「汚れ拡張表示」機能に注視。アプリが本来より誇張して汚れを描画し、課金を誘導している疑惑だ。虹映社は「誇張ではなく演出。現実世界における“心の汚れ”まで計測している」と言い切った。庁内は一瞬、掃除機より強い吸引音がしたという。
海外でも波紋は拡大。北欧ではミニマリストが「壁すら不要」と即日返品。アメリカでは“掃除で推しに会える”とポジティブに評価され、既に「散らかったガレージ専用DIVA版」がクラウドファンディングで1億円を調達。国際競争はホコリより細かく舞い上がる。
結局のところ、消費者が払うのは掃除代か愛情税か。部屋の隅に転がる軍資金カードを拾い上げるたび、推しの笑顔が「あと一枚」を囁く。清潔と散財の二択が貼り付いた壁を、きょうもグラス越しに眺めるファンは多い。
関係者のコメント
- 推しアイドル「私は清らか。あなたの机もそうあるべきよ♡」
- ポスター紙面「私自身はただの紙。だが印刷代を超える権力を持った」
- 汚れた靴下「ステージライトより洗濯ネットを所望する」
- 飼い猫「ホログラムは触れない。毛は残る。勝負にならない」
- 消費者庁担当官「埃だけでなく規制の網も吸い取らねば」
- 部屋のホコリ「スターに指さされ、ついに主役」
- 電子財布「残高より塵が軽い日が来ようとは」
- 自動掃除機「私が働くほど課金が減る。社是に反するらしい」
- 家計簿アプリ「赤字項目に“推しが尊い”が追加されました」
- ARアレルギー協会「現実の汚れはクスリで治らない」
国際表現
俳句
- 推し映えし 机の染みへと 恋課金
- 指示飛びて 心の埃も 舞い上がる
- 壁一枚 無限に広がる 課金沼
- 晴れわたる ベッド下にも 星の声
- 箒より 重きは推しの 甘い声
- 夜更けまで 掃除ボイスで 枕鳴る
- 誇張汚れ 財布の数字を 真っ白に
- 桜散る クリックするたび 歯車音
- 洗剤の 泡より膨らむ 推しの夢
- 片付けて 片付かぬのは 我が残高
漢字
壁貼推推掃指示課金無限地獄発生
絵文字
🖼️✨🧽➡️💸💸💸
擬
ピコーン…キラッ、バサッ、ジャリッ。ピロン!ピロン!ギュイン——。
SNS
- #推しに罵られて片付く部屋
- 課金より雑巾買えとの声多数
- CleanMe完凸勢、部屋が光り輝く
- 「あと1%汚れ」で眠れない夜
- #お掃除ガチャ
- 財布の埃は吹けませんでした
- 母の小言がフリーミアム時代へ
- ホログラムより実家が怖い
- 北欧勢「壁もミニマムに」
- ガレージ版予約しちゃったぜ