ソファの隙間が独立国家認定、落ちた小銭は外貨扱い

リモート生活の終わりなき座り込みで拡大した“ソファ隙間領”が国連から主権を承認。住民登録は行方不明のレシートで可能だが、出国審査では埃の暴風が最大の関門らしい。

2025-08-06

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リモート生活の終わりなき座り込みで拡大した“ソファ隙間領”が9日夜、国連総会で190対1の賛成を得て主権を承認された。住民登録は行方不明のレシートで可能だが、出国審査では埃の暴風が最大の関門とされる。

ソファ隙間領は、標高0センチメートル、面積ティッシュ一枚分という世界最小級の主権国家だ。領域は「クッション第1列」と「背もたれ峡谷」から成り、首都“モケモケシティ”にはパンくずビル群が林立する。現憲法は「座る者は皆平等に沈む」と1条のみで、議会はリモコンの下敷きになりながら半永久的に休会中だ。

財政の要は“滑落通貨”と呼ばれる落ちた小銭で、累積外貨準備は約972円。それでも国家予算の9割を占め、「500円硬貨は事実上の金本位」と大蔵埃庁が胸を張る。ただし外為法上は外貨扱いとなり、居間と両替する際は「くしゃみ税」3％がかかるため、住民は硬貨のまま寝かせてインフレと埃を待つ戦略を採る。

領土拡大は、パンデミック以降の“永続在宅勤務”が招いた。人類の臀部がソファに長期駐留した結果、隙間は年率5％で沈下拡大。国連は「地殻変動に匹敵する人為的地理」と評価し、ついに独立を認めた。対抗投票を行ったのは“掃除機連合”のみで、演説中に電源コードが短く届かず棄権したため存在感を示せなかった。

国際社会は早速動いた。IMFは「硬貨ではなく菓子屑での融資も検討」と声明。EUは「いずれ隙間領がリビング全体を呑み込めば加盟も視野」と含みを持たせた。一方、家庭内中央政府（母親）は「週末の大掃除で併合する」と強硬姿勢を崩さず、早くもリモコン外交が緊迫している。

出入国手続きにも独自色がある。入国審査官は紛失したイヤホン片方で、審査基準は「最後に掃除されたのはいつか」という記憶テスト。パスできなければくしゃみ一発で強制送還だ。また渡航者は座面の揺れに合わせた時差調整（最大0.3秒）が必要とされ、外務省は「時差ボケの新たな定義が誕生」とコメントした。

外交課題はパスポートの耐久性である。紙幣で作ると湿気で即解体、プラスチックカードは深部で反射して紛失率が高い。政府は「次世代パスポートはガムテープ製で自ら粘着」と発表し、粘着主義に基づく新秩序を訴えるが、人権団体（ぬいぐるみ協会）は「剥がす際の痛みは拷問」と批判する。

もっとも国民の関心は外交よりも「いつ取り出されるか」の生存戦略だ。住民代表のレシート氏（肩幅3センチ）は「消費税計算欄がすでに文字化けした」と嘆く一方、「領土が埃で肥沃化している」と農業振興に希望を語る。終わらない座り込みは、今日も深部で静かな独立を続けている。

関係者のコメント

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ズブッ…モサッ…ゴホッ！チャリン、ヒュルリ、ムズムズ。