政府、不安を上場へ 「脆弱性ビジネス担当相」新設
政府は、情報漏えいからひび割れた橋までを束ねた「国家脆弱性ファンド」を創設し、「不安を成長エンジンにする」と語る元コンサルを担当相に据えた。市民は、マイナンバーが証券コードになる日程だけは早めに開示してほしいと震えている。
政府は、情報漏えいからひび割れた橋までを束ねた「国家脆弱性ファンド」を創設し、「不安を成長エンジンにする」と語る元コンサルを担当相に据えた。市民は、マイナンバーが証券コードになる日程だけは早めに開示してほしいと震えている。
新設される国家脆弱性ファンドは、省庁横断で抱えてきた事故予備軍を一括計上し、金融商品として投資家に提供する構想だ。個人情報の流出件数、老朽インフラの補修遅れ、サイバー攻撃の検知数など、これまで謝罪会見のスライドを飾ってきた指標が、「国民不安インデックス」として一本のチャートに束ねられる。政府は「これまで無駄に発生していたヒヤリ・ハットを、持続的な配当へ転換する」と胸を張る。
脆弱性ビジネス担当相に起用されたのは、外資系コンサル出身で、在任中に作るスライドは年間二千枚と自称する人物だ。就任会見で同氏は「眠れぬ夜こそ未開拓市場だ。国民一人ひとりの不安を可視化し、キャッシュフローに変える」と説明した。政策の柱は三つのMだという。「見える化」「モニタリング」「マネタイズ」。要するに、まず国民を怖がらせ、次にアプリで追跡し、最後に手数料を取るという、聞き覚えのある成長戦略である。
制度設計の骨格は、国が発行するパブリックアングザイアティ債にある。国の情報漏えいや事故が一定件数を超えると利率が上がる仕組みで、説明資料には「社会的ストレスと投資リターンの完全連動」をうたうグラフが並ぶ。倫理上の懸念について問われると、担当相は「インセンティブが逆向きに見えるかもしれないが、そこはガバナンスとお願いベースで乗り越える」と述べ、会場を静かな笑いに包んだ。
国民生活への影響で注目を集めているのが、マイナンバー制度との連携案だ。財務省案では、将来的にマイナンバーをそのまま個人の不安株コードとして用いる構想が示された。健康診断の再検査通知、河川氾濫の警報、自治体からの誤送信メールなどがリアルタイムでポイント化され、証券口座アプリに表示される仕組みだという。政府関係者は「どうせ心配するなら、指数の一つや二つは自分名義で持っておいてほしい」と話す。
すでに海外の格付け会社は、日本の国家脆弱性ファンドをAAA、すなわちAlways Anxious Assetと認定し、安定した不安供給能力を評価した。市場関係者からは「少子高齢化も地震もサイバー攻撃も、全部のせにした日本型総合リスク丼は世界でここだけ」と、妙な期待が寄せられている。一方、野党議員は「リスクを減らすのではなく、上場して配当を約束する政権は前代未聞だ」と批判するが、与党幹部は「国民感情を市場と共有することで、民主主義の価格発見機能が高まる」と応酬している。
街頭では、制度の詳細を知るほど足がすくむという声が絶えない。「どうせなら、うちのマンションの耐震不足が何円なのかはっきりしてほしい」と語る会社員もいれば、「通知が来るたび株価が動くなら、通知自体がインサイダー情報ではないか」と首をかしげる投資家もいる。不安が商品になる国で、安心はますます高値のラグジュアリー品になりつつある。政府が掲げる「成長と分配の好循環」は、どこまで行っても「心配と利払いの悪循環」に見えるが、担当相は「それも市場が判断する」とだけ言い残し、省舎へと消えていった。
関係者のコメント
- 脆弱性ビジネス担当相「二十一世紀の石油はデータと言われたが、日本では不安がそれを上回る埋蔵量だ。」
- 財務省幹部「国債残高が減らせないなら、不安残高を増やせばよいという逆転の発想だ。」
- 野党議員「国民を守るどころか、心配事まで転売するとは、行政の越境ECもここまで来たか。」
- 個人投資家「どうせ胃が痛くなるなら、その胃痛で少しくらい利回りがほしいと思ってしまう自分が怖い。」
- 匿名の公務員「これまでは失敗すると怒られたが、これからは利払いが増える。どちらがましなのか判断に苦しむ。」
- 老朽化橋梁「これまで写真は報告書ぐらいだったが、ついに目論見書デビューらしい。落ちる前に笑われるのも複雑だ。」
- 流出済みパスワード「放置されて久しいが、ここにきて優良資産と呼ばれ始めた。複雑な気分だ。」
- 格付け会社アナリスト「日本の不安供給は安定的で予測可能性が高い。投資家にとってこれほど安心な不安はない。」
- 海外ヘッジファンドマネジャー「災害リスクと官僚制リスクを同時に買える市場は珍しい。分散投資にならないのが難点だ。」
- 国民不安インデックス「上がればニュースになり、下がれば政策失敗と叩かれる。どちらに転んでも話題性だけは割高だ。」
国際表現
俳句
- 不安売り 市場に並ぶ 国の傷
- 橋の亀裂 きょうの始値は 幾らです
- 漏えいの 数だけ伸びる 成長率
- 安心は プレミアム席 立見なし
- 夜更けても アプリで揺れる 心株
- 番号が 鳴いては跳ねる 不安値
- 国会の 笑顔の裏で 指数騰がる
- ひび割れた コンクリ越えて 舞う気配
- 退職後 年金よりも 不安配
- 君の名を ティッカーコードで 呼ぶ時代
漢字
政府創設国家脆弱性基金不安成長策担当相就任市民番号証券化戦慄
絵文字
🏛️📊⚠️🌉🪪💹💸😰
擬
ザワザワ、ギシギシ、ピコンピコン、カタカタ、ドキドキ、チャリンチャリン。
SNS
- #国家脆弱性ファンド って何を信じればいいのか
- ついに不安までIPO時代か 自分の心配を自分で買う世界
- マイナンバーが証券コードになったらポートフォリオぜんぶ自分
- 事故が増えるほど利回り上がる債券とか倫理どこいった
- AlwaysAnxiousAsset のコピーライター天才すぎて泣ける
- 今日も国民不安インデックス年初来高値更新中
- 「安心」はインフレ「不安」はデフレしない資産説
- コンサル大臣のプレゼン資料だけは無駄に安心感ある
- うちの老朽マンションが高配当銘柄扱いされてて震えた
- せめて不安配の一部はメンタルケアに再投資してほしい