海洋ゴミから生まれた謎の生命体、フリマアプリで「資産」として取引開始。初期ロットは即完売
「一家に一台、未来の貯金箱」──太平洋ゴミベルトで発見されたプラスチックを食べる生命体が爆発的人気。ユーザーは「餌代タダで勝手に増える。最強の資産」と熱狂。専門家は「プラスチックを食べ尽くした後の生態系は保証しない」と警告するが、その声はもう届かない。

「一家に一台、未来の貯金箱」──太平洋ゴミベルトで発見されたプラスチックを食べる生命体が爆発的人気。ユーザーは「餌代タダで勝手に増える。最強の資産」と熱狂。専門家は「プラスチックを食べ尽くした後の生態系は保証しない」と警告するが、その声はもう届かない。
その生物は、太平洋上で巨大な渦を巻くプラスチックゴミの集合体「太平洋ゴミベルト」の中心部で、国際海洋研究機構の無人探査機によって偶然発見された。アメーバ状の半透明な体で、プラスチックを体内に取り込み、分解してエネルギーを得るという、まさに地球の救世主ともいえる生態を持つ。学名はPlastiphagus prodigium(驚異のプラスチックを食らう者)と名付けられたが、SNSでは親しみを込めて「プラヴォ」の愛称で瞬く間に拡散された。
当初、この発見は環境問題解決の切り札として賞賛された。しかし、事態が思わぬ方向へ転換したのは、発見に関わった研究員の一人が、実験室で増殖した個体を「お小遣い稼ぎに」と大手フリマアプリに出品したのがきっかけだった。「【レア】地球を救う新生命体!プラヴォ初期ロット限定10個」と題された出品は、わずか30秒で完売。購入者たちが「うちのプラヴォ、ペットボトル一本完食!」「分裂して増えた!」とSNSに投稿すると、市場は一気に過熱した。
プラヴォの最大の魅力は、その驚異的な増殖能力にある。家庭から出るプラスチックゴミを与えるだけで、栄養状態が良ければ数日で自己分裂して個体数を増やす。この特性が「餌代ゼロで無限に増える資産」として投資家たちの目に留まったのだ。「初期投資は数万円。あとはゴミ箱の横に置いておけば、数ヶ月後には資産が倍になっている。こんな楽な投資はない」と、都内在住のIT企業に勤める男性(32)は語る。フリマアプリ上では、サイズや増殖スピードによってランク付けされ、希少な変異種は1体100万円を超える価格で取引されている。
この熱狂は社会現象となり、自治体までもが追随し始めた。一部の区では「家庭ゴミの削減と資産形成を両立する」として、プラヴォの飼育を推奨。大手玩具メーカーは、ラメ入りのプラスチックを配合した「プラヴォのごちそう・キラキラディナー」を発売し、記録的な売り上げを達成している。環境保護という崇高な目的は、いつしか個人の資産欲を満たすための便利な言い訳へと姿を変えた。
無論、この状況に警鐘を鳴らす声もある。東都大学生態系リスク研究所の雨宮教授は、「プラスチックという異常な食性に特化した生物が、自然界に放たれた場合の影響は全くの未知数。プラスチックを消費し尽くした後、彼らが次に何を捕食対象とするのか。コンクリートか、アスファルトか、あるいは……。我々はパンドラの箱を開けてしまったのかもしれない」と語る。しかし、資産価値が日に日に上昇する熱狂の中で、こうした冷静な声は「時代遅れのノイズ」としてかき消されているのが現状だ。
「環境に貢献しながら資産も増えるなんて、まさにSDGsの理想形」──。プラヴォの飼育セットを片手に、笑顔で語る女子大生の姿が印象的だった。彼女の水槽の中で、青白く光るプラヴォは、今日も静かにプラスチックを溶解し、分裂の時を待っている。人類の罪が生み出した「贖罪」は、今や新たな「欲望」の器となり、静かに、しかし確実に社会を蝕み始めている。
関係者のコメント
- プラヴォ(新生命体)「モグモグ…モグ…(分裂シマス)」
- 熱狂的な飼い主(28歳・主婦)「子供の知育にもいいんです。ゴミの分別と、資産運用の基礎が同時に学べて。まさに生きた教材!」
- 雨宮教授(生態学者)「誰も耳を貸さない。私の研究室のプラスチック製ビーカーが、今朝見たら少し溶けていた。気のせいだと思いたい。」
- フリマアプリ運営会社広報「規約上は『ペット』に該当しないため静観しております。市場の健全な発展を見守りたい(ニッコリ)」
- プラスチックゴミ(擬人化)「食べられるのは本望だが、まさかこんな形でセレブ扱いされるとは。世の中、わからんもんだ。」
- 地球(擬人化)「あー…なんか、そういうことじゃないんだけどな…。」
- 敏腕トレーダー(45歳)「これは生物じゃない、コモディティだ。次の半減期はいつかな?チャートから目が離せないよ。」
- 小学生(8歳)「夏休みの自由研究で飼ってます。昨日、僕のオモチャの剣がちょっと短くなってました!」
- 企業の倫理担当役員「我が社はプラヴォの飼育を『サステナビリティ活動』として推奨し、飼育手当も支給しています。素晴らしい取り組みでしょう?」
- 未来から来たと自称する人物「やめろ。今すぐそれ以上増やすのをやめるんだ。間に合わなくなっても知らんぞ!!」
国際表現
俳句
- 塵の山 宝に変わり 増えにけり
- ゴミ食らう 救世主様 金のなる
- プラ食べて 分裂してる 秋の夜
- 警鐘は スワイプ一つで 見えぬふり
- 水槽の 光静かに 未来食う
- 資産です 言い張る君の 目が怖い
- フリマ見て ポチれば増える 不安かな
- エコだねと 言えば許さる 欲の皮
- 次の餌 アスファルトかもと 風が言う
- 青い星 覆うゼリーの 夢を見る
漢字
海洋ゴミ謎生命体資産取引開始即完売 一家一台未来貯金箱 最強資産熱狂 専門家警告声届
絵文字
🌊🗑️➡️🦠➡️📱➡️💰➡️🏠📈
擬
ザワザワ…モグモグ…シャリシャリ… ピコン!ピコン! ポチッ。 シュワシュワ…ぷくぷく… キラキラ〜✨ カタカタ…(キーボードを叩く音) シーン…。
SNS
- #プラヴォ始めました
- #ゴミ投資
- #エコな不労所得
- #今日のプラヴォ分裂日記
- #SDGs
- うちの子、最近食欲旺盛でうれしい!
- 専門家っていつも否定から入るよねw
- 初期ロット組、勝ち確
- プレミアついてて草
- #プラスチックの向こう側