「壁の色は審査対象」デマ拡散、ホームパーティー会場が“安心ベージュ”一色に
SNSで「派手な壁紙は来年から自意識税がかかる」という投稿が伸び、招待状より先に塗料が売り切れた。週末の部屋は一斉にベージュへ。乾くのは壁だけで、ホストの表情は最後まで乾かなかった。
SNSで「派手な壁紙は来年から自意識税がかかる」という投稿が伸び、招待状より先に塗料が売り切れた。週末の部屋は一斉にベージュへ。乾くのは壁だけで、ホストの表情は最後まで乾かなかった。
発端は「壁の色は審査対象。来年度から原色は追加課税」とする匿名アカウントの投稿だ。根拠は「知り合いの知り合いが審査員」という、現代における最強の一次資料。投稿は「節税テク」として拡散し、色見本帳は税法六法のように扱われ始めた。
都内のホームセンターでは「安心ベージュ」「沈黙サンド」「無難オーク」など、自己主張を薄める系統の塗料が品薄に。店員は「ベージュは売れるが、勇気は売れない」と淡々。赤や青のコーナーだけが在庫の豊かさで反省を促し、蛍光ピンクは棚で静かに社会性を学んでいた。
週末、各地のホームパーティー会場は“同じ部屋”になった。招待客は玄関で迷い、Googleマップよりもホストの部屋の個性が先に迷子になったとの声もある。ある参加者は「どの壁を背景に撮っても『いいね』が均一で安心」と評価。新奇性は不要、所属が最優先という、社会科見学としては満点の夜だった。
一方で、自治体の税務担当は「そのような税目は承知していない」と回答した。承知していないだけで、いつか承知する可能性はゼロではないという点で、国民の予測可能性は今日も鍛えられる。識者は「不安は課税されないが、安心は自費」と指摘し、結局みな自腹でベージュを塗った。
騒動が示したのは、デマの速さより、私たちの“無難への意思決定”の速さだ。自己演出は自己責任と聞くが、自己を出すと税が出るかもしれない社会で、最も贅沢なのは色ではなく確信である。壁は乾いた。部屋も落ち着いた。だが次の流行色が「透明」だった場合、何を塗ればよいのかだけは、誰も説明できない。
関係者のコメント
- ホームパーティー主催者(30代)「ベージュにしたら安心できると聞いたが、安心のせいで眠れない」
- 招待客(友人)「部屋が全部同じで、友情までテンプレ化した気がする」
- ホームセンター店員「ベージュは補充できますが、根拠は入荷未定です」
- 塗料メーカー広報「想定外の需要です。想定内の人生を求める需要が」
- 税務担当者「自意識税? まずこちらの自意識を確定申告したい」
- インテリアコーディネーター「色は人格を映す鏡です。今日は曇りガラスが流行です」
- アルゴリズム氏「伸びる投稿を伸ばしただけです。色味は関知しません」
- 壁(擬人化)「派手に生きたかったが、今は中庸で息をしている」
- ベージュ(擬人化)「私は無色ではない。だが無難の顔で生きている」
- 塗りローラー「ゴロゴロ。転がされているのは私か、世論か」
国際表現
俳句
- デマひとつ 壁はベージュに 笑えない
- 招待状 届く前から 塗料欠け
- 原色の 棚だけ元気 冬灯り
- 安心を 塗って息苦し 乾く部屋
- 自意識税 影で徴収 既読跡
- 同じ部屋 写真は映える 顔は曇る
- 無難色 選んで無難に 迷子する
- 予測する ほどに外れる 塗りたて壁
- 新奇より 所属が勝って 筆すすむ
- ベージュ揺れ 根拠も揺れて 通知鳴る
漢字
派手壁紙来年自意識税投稿拡散 招待状前塗料売切 週末部屋一斉米色 主人表情最後未乾
絵文字
📱💬📈🎨🪣🧽🏠➡️🟫😐
擬
ザワザワ、バズバズ、ポチポチ、カシャカシャ、ゴロゴロ、ヌリヌリ、カラカラ、シーン
SNS
- 「自意識税」って誰が納付先なの、鏡?
- #安心ベージュ で心は落ち着くが写真が落ち着きすぎる
- 原色のペンキだけ売れ残ってて反省会みたい
- デマは速乾、塗料は半乾、ホストは未乾
- #壁の色デマ 「友達の友達が審査員」強すぎる
- ベージュにしたら部屋が“無断転載”みたいになった
- 税より怖いのは「浮く」こと説、今年も堅調
- safeBeige is the new safeWord みたいな空気
- うちの壁、個性を確定申告してほしい
- 次は「透明が無難」説が来るらしい、もう塗る場所がない