AIが兵役に、若者は見学義務へ
国防省は「若者のストレス値を下げる」として、兵役義務をAIロボットに委任する法案を提出。国民には“見学アプリ”を通じて24時間戦況を視聴する義務が課され、「ストレスが従来以上」との指摘が相次ぐ。
国防省は「若者のストレス値を下げる」として、兵役義務をAIロボットに委任する法案を提出。国民には“見学アプリ”を通じて24時間戦況を視聴する義務が課され、「ストレスが従来以上」との指摘が相次ぐ。
スマート兵士「PX-113型」は、先端関節にGDPと同じ速度で増殖するボルトを備え、1機で平均徴兵3,000人分の火力を発揮すると宣伝される。ロボットの訓練期間はわずか72時間。命令語は「守」「攻」「やめとく?」の三つで、最後の選択肢が採用される確率は極めて低いが「人間味を演出」するため残したという。
人間に残された任務は観戦だ。専用アプリ「DraftWatch」は、視聴時間に応じて“愛国ポイント”が加算され、10,000ポイントで税金が0.03%割引になる。若者は「見ているだけだが精神的につらい」と嘆くが、ログアウトするとスマホが警告音とともに愛国心チェッカーを起動。カメラのセンサーにより、「視線が足りません」と自動判定する仕組みも導入済みだ。
法案説明資料では「生身の徴兵をゼロにし、心の汗だけかいていただく」と胸を張る。だが精神科医会の試算では、連続視聴30時間で発症する“バーチャルPTSD”率が従来の戦地赴任170日と同水準に達するおそれがある。
財政面では、一機47億円のPX-113を2,000機購入しても、徴兵訓練・年金・帰省切符の総コストより「やや安い」と国防省は強調する。ただしアプリ運営は広告モデル。戦況の隅に「この爆煙のあとに!」と洗剤のCMが割り込むため、評論家は「ついに戦争もスポンサー付き」と不満を漏らす。
海外からは「視聴義務は立派な兵役」との声もあがる。北欧のある国は「いっそ実況もAIにやらせれば若者は睡眠義務だけで済む」と皮肉を送る。国連は「AI兵士の休暇取得ルールが未整備」とし、ロボットに有給を与えるかどうかを巡って審議を開始した。
与党は「血の代わりにバッテリー液が流れる時代」として今国会での可決を目指す。野党は「結局バッテリー製造で若者が酷使される」と反発。街頭に出た高校生は「おじさんたち、アプリを倍速で見てもいいですか」と叫び、政治家は再生速度の上限値を巡って真夜中まで協議を進めている。
関係者のコメント
- 国防大臣「若者の汗と涙をクラウド保存する時代は終わった。これからはロボットの注油音だけが響く」
- PX-113型試作機「敵味方より、広告バナーの位置決定が最大の戦闘だと理解」
- 見学アプリ開発者「“ながら愛国”を実現しました。料理しながらでも戦況把握」
- 18歳会社員「通知が鳴るたび心拍数アップ。ストレス値がどこかへ引っ越した覚えはない」
- 精神科医「バーチャルPTSDは保険適用外。心のキャッシュクリアは自己責任で」
- 退役軍人会会長「昔は塹壕、今はタイムライン。泥の味は“いいね”に置き換えられない」
- 広告代理店「爆風の瞬間に洗剤CMを重ねると視認率が16%向上」
- 税務署AI「愛国ポイント未達の場合、聞かなかったことにしたいが聞いてしまったので追徴」
- カフェイン分子「深夜の視聴義務で需要急増。私は合法ドーピング」
- “ストレス”本人「私は減っていない。むしろ高解像度で再販中」
国際表現
俳句
- 鉄の兵 代わりに震える 親指よ
- 視聴義務 夜明けもバッジ 点滅す
- 八ケイの霧 若さを映し 心ざわ
- ロボ行軍 無音の足音 耳鳴残
- 税控除 求めて凝視 ドローン雲
- 弾け飛ぶ 広告バナーに 戦況図
- 愛国度 充電切れまで スワイプす
- ノーリロード バッテリーだけが 血を流し
- 観る兵役 まばたき忘れ 風呂ぬるし
- 退避せず スマホの中で サイレン鳴
漢字
国防省若者緊張抑制策兵役委任人工知能戦況観覧義務化
絵
🤖🪖⚙️➡️📺👀📱💬😰
擬
ゴゴゴ…ピピッ!カタカタ、ドドン。チリン、チリン。ザザッ、キュイーン!
SNS
- #兵役ゼロ視聴100
- ロボが行く間に私は寝る
- #DraftWatch連続30時間達成
- 広告スキップ券ください
- 愛国ポイント貯めてふるさと納税割
- PX113かっこいいけど課金高め
- #バーチャルPTSDって何
- 戦況にコメント残すと敵味方どっち?
- 8Kでも心はSD画質
- 早送り許される世界線を希望