涙で充電するスマホ登場、夜泣き勢歓喜

『泣くほどスマホ依存』という指摘にメーカーが挑戦状。新端末はユーザーの涙を電解質としてバッテリーを補充する仕組みで、失恋勢と受験勢から「無限エネルギー」と感涙のレビューが相次ぐ。

2025-07-08

翻訳: EN

スマホという私物発電所は、とうとう涙腺まで領土を広げた。フローラ電機株式会社は8日、涙をそのまま電解液に変換する新型端末「CRY-Phone One」を発表。壇上には巨大な泣き顔絵文字がぶら下がり、報道陣がもらい泣きした瞬間にプロトタイプがみるみる充電され、説明より先に機能が証明された。

仕組みは、ナノ多孔質カーボン電極と微量のリチウムイオンを含む「感情ブレンド電解質」。要するに、涙に含まれる塩分と失恋のミネラルを電気に換える。メーカーは「車載バッテリー換算で1時間号泣すれば高速道路100km相当」と胸を張る一方、「過度の嗚咽は液晶に飛沫ダメージを与える」と小さく注釈した。

市場は早くも騒然だ。予備校街では「春期講習より泣ける！」と自習室の静粛が崩壊。音楽配信各社は失恋ソングのサブスク需要急騰を歓迎し、「泣かせ屋チャート」を新設する構えだ。恋人にフラれた大学生は「元カノが最後にくれたのは電気だった」とポジティブに語った。

環境団体からは「原発より安全で、太陽光より曇りに強い」と拍手が飛ぶ。もっとも、水分の使い過ぎで利用者が干からびないか懸念もある。厚労省は「涙腺枯渇による過労」を新たな労災コードに追加検討中で、医師会は「こまめな水分と適度な笑顔を」と平常心を推奨。メーカーは別売りで“補水ストロー付きスマホケース”を用意し、市場を狙う。

経産省は補助金対象に前向きだが、「全国民が一斉に泣いた場合の送電ピーク」を未知数として要調査。省内試算によれば、大河ドラマ最終回級の視聴率で国全体100GWhが見込めるが、その際のティッシュ需要が森林政策を圧迫するおそれがある。涙はCO₂を出さない代わりに、森を消費する可能性が指摘されている。

一方、闇市場では「涙ドーピング」が早くも横行。玉ねぎの催涙成分を点眼し連続充電する“玉スマ”行為が確認され、同社は「公式涙ではない」と警告。涙の真正性を証明するブロックチェーン「Cry-Ledger」も年内稼働予定で、泣き笑いのWeb3世界が到来しそうだ。

同社は次期モデルで「笑い声充電」機能を検討中だが、技術者は「日本では笑いより泣きの方が安定供給」と慎重姿勢。枯れたジョークより潤ったほおが、どうやらこの国のエネルギー源らしい。

最後に、フローラ電機は「世界が泣いてもスマホは笑う」とキャッチコピーを発表。株価は寄り付きから涙ぐましい上昇を見せ、投資家は“含み益”ではなく“含み泣き”で祝杯を挙げた。