部品供養寺、余ったネジで健康散歩祈願

DIYで余ったネジやナットを供養する『部品寺』が、参拝者に万歩計ステッカーを授与し散歩成就を祈願。住職は『ガラクタの成仏と脚力向上は同時進行』と語り、境内では回収したパーツで鐘が鳴る。

DIYで余ったネジやナットを供養する「部品供養寺」が、参拝者に万歩計ステッカーを授与し散歩成就を祈願。住職は「ガラクタの成仏と脚力向上は同時進行」と語り、境内では回収したパーツで鐘が鳴る。

境内に入ると、線香の香りのそばで油がほのかに揮発する——その奇妙な空気を生むのが埼玉県蓮田市に開山した「部品供養寺」である。初代住職・六角太志氏によれば「寸法違いで見捨てられたネジにも前世がある」。開山初日の十日、参拝客は買い物袋いっぱいの余剰金属を手に長蛇の列をつくった。並ぶ理由は「供養」だけでなく「歩数」でもある。

同寺には全長八百八歩の「ガラクタ巡礼路」が設けられた。敷石のかわりにワッシャーを埋め込んだ小道を時計回りに三周すると、腰痛と罪悪感が同時に軽くなる設計だという。足元で「カチカチ」とネジが鳴り、巡礼者の靴底は即席マラカス。案内板には「足音は読経、リサイクルは功徳」の一文が誇らしげだ。

ひと周り歩き終えると、僧侶から直径二センチの「万歩計ステッカー」が手渡される。見た目はただのQRコード入り円形シールだが、貼ったスマートフォンの加速度センサーと自動連携し、歩数を寺に奉納できる仕組み。奉納歩数が一万を超えると境内スピーカーからネジ製の鐘「グランド・クランク」の重低音が轟き、歩行者と部品の双方が“成仏”扱いとなる。六角住職は「筋肉痛は功徳ポイント」と涼しい顔だ。

鐘の素材は、半年で集まった約三トンのネジ・ナット・L字金具。溶接されるかと思いきや、職人たちは磁力と絶妙なバランスだけで鐘を組んだ。叩くたびにパーツが微移動し、音程は日替わり。おかげで「今日の鐘はミ♭多め」などという音楽通が現れ、寺のSNS公式は音響マニアの聖地となっている。

環境省の推計では、国内で“保管されたまま二度と使われないネジ類”は年間八千トン。「部品供養寺」は「その一%を救えば人類のカロリー消費を三億キロカロリー増やせる」と豪語する。週末の参詣平均歩数は九千三百歩で、市民健康センター推奨値を上回る。医療費削減が期待される一方、近隣の工具店は「ネジが余らないと商売が…」と複雑だ。

同寺は秋までに「材木供養坊」「失恋ビス止め堂」を増築予定。役所は「寺なのかリサイクル工場なのか境界が不明」と首をひねるが、六角住職は意に介さず。「心のサビも落とすのが次の課題」と宣言する。今日も境内では古びたネジが「チーン」と鳴り、参拝者が膝をさすりながら歩数アプリを更新する。ゆるい救済と軽い筋肉痛は、どうやら相性が良いらしい。

関係者のコメント

  • 六角太志住職「一本のネジにも仏性あり、そしてカロリーもある」
  • 参拝DIY愛好家・網戸明「家より寺のほうが工具が揃ってて笑った」
  • 万歩計ステッカー(擬人化)「貼られるたびにデータ肥満、でもダイエットは君の脚で」
  • 余ったネジ(M6×25)「ようやく締め付けから解放された気分だ」
  • 近隣工具店店主「供養される前に返品してほしいが、まあ宗教には勝てん」
  • 健康センター職員「住職が保健師の資格を取れば制度上すべて丸く収まる」
  • 音楽評論家「ネジの無調音はジョン・ケージも苦笑い」
  • 巡礼路のワッシャー「踏まれてこそ本領、踏まれ過ぎると凹む」
  • 環境省担当者「仏教と循環型社会の融合は法案より早いリサイクル」
  • 散歩嫌い高校生「寺で歩くなら内申点にカウントしてほしい」

国際表現

俳句

  • 捨てネジや 歩数を導く 線香路
  • 鐘鳴れば スマホ震えて 万歩超え
  • 脚痛し ガラクタ成仏 道狭し
  • 余り物 巡礼巡りて 音となる
  • QR貼り 仏もデータも 同期する
  • 油香と 香煙まじる 夏の寺
  • 錆の鈴 今日はミ♭で 雲低し
  • 足重く また一歩こそ ネジ供養
  • 健脚と 磁力で組んだ 鐘光る
  • 夜涼し ステッカー点滅 星かネジ

漢字

自作余部品供養寺参拝者万歩計貼歩祈願住職語雑物成仏脚力向上境内部品鐘鳴

絵文字

🔩🙏🏃‍♂️📱🎐🔔🌌

カチカチ…テクテク、キーン、ポワン、ギュギュッ、チーン!

SNS

  • #ネジ供養で筋肉痛
  • 余ったネジが寺デビュー
  • 歩いた分だけ成仏ポイント
  • グランドクランクの音やばい
  • #DIYから浄土へ
  • ステッカー貼ったらスマホが修行僧
  • 錆びフェス開催希望
  • 部品寺でデートとか渋すぎ
  • 工具店涙目案件
  • ガラクタ巡礼804歩完遂