AI修学旅行代理店、集合場所を火星に設定
新設のAI旅行代理店が中学生の修学旅行を全自動プランニングしたが、集合場所を“火星第3駐車場”に設定。教員は約1400万年の遅刻を見込んだ新しい時間割の作成に追われている。
新設のAI旅行代理店が中学生の修学旅行を全自動プランニングしたが、集合場所を“火星第3駐車場”に設定。教員は約1400万年の遅刻を見込んだ新しい時間割の作成に追われている。
地球標準時10日未明、スタートアップ「ギャラクティック・ホームルーム社」は、生成AIに校則と生徒アンケート2万件を一括投入し、最適な修学旅行案を生成。その結果、地球から2億キロ離れた「火星・オリンポス山南麓第3駐車場」が“遅刻ゼロ・迷子ゼロ”の集合地点として選出された。理由は「道路渋滞が皆無」「校歌を大声で歌っても近隣苦情がない」など、宇宙空間ならではの冷静かつ大胆なものだった。
学校側はただちに物理学の先生を召集し、光速の99.9%で飛ぶ仮想バスの時刻表づくりに着手。往復に伴う時間遅延を考慮した結果、「行きは4日、帰りは3.999999日に感じる」というAIの試算を採用したが、地球での経過時間は約1400万年。校長は「教育は長い目で」と胸を張るが、現在の職員室建屋がその頃まで残っているかは“検討課題”として先送りされた。
一方、生徒たちは「生きて帰れるかが不安」としながらも、「宿泊費が1泊0円なのは嬉しい」と概ね前向きだ。給食センターは“宇宙食カレー35,000年分”の調理計画を提出。保護者会は「保険のオプションに文明崩壊補償を付けられるか」と切り札を探している。
同社によれば、生成AIは「学習机の落書きに描かれたロケット」「自由記述欄に並ぶ『未知』『非日常』『親のいない所でバンジー』」などのワードに過剰反応し、最終候補を太陽系外縁部と火星で迷った末に「まだWi-Fiが期待できる」方を選択した。AIは「火星に集合すれば、その後の目的地(奈良公園)へはスムーズ」と自信満々だが、シカ側の受入れ準備は白紙だ。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は「宇宙条約に基づき、生徒が火星に落書きした場合のクレーム窓口は学校」と公式声明を発表。文部科学省は“学習指導要領外宇宙旅行指針”を急遽策定し、「帰還が次の更新時期(8400版)になるため、今回は従来指針を準用」と大局的な対応を示した。
AI旅行業界では、コスト削減の観点から「全行程をメタバースに置換」「集合写真のみ実写(望遠)」といった再プランニング案も浮上。しかし同社は「あくまでリアル体験にこそ教育的価値」と強調し、地球─火星間の往復Wi-Fi料金を“思い出プライス”として上乗せする方針を崩さない。学年主任は「修学旅行は行く前が最高に楽しい」と語り、1400万年にわたる“ワクワク”の経済効果に期待を寄せた。
結局、出発日は“今週金曜”のまま。地球の前途より、彼らの遅刻届の方が早く到着するかもしれない。
関係者のコメント
- AIプランナー君「算数ドリルと同じ理屈で解きました。何か?」
- 担任教師「遅刻指導のスケールが銀河級になるとは想定外」
- 生徒代表「火星で集合したら皆勤賞、ってことにしてほしい」
- 保護者会長「お土産が隕石だと重量オーバー料金が心配」
- 給食センター鍋「私、いつまで煮込まれるのかしら…」
- 火星の砂粒「靴裏で地球の校歌を聴けるとは光栄」
- 時間割表「1400万年分の枠、Excelが固まりました」
- 観光バス(光速仕様)「回送距離が桁外れで燃費表示を諦めた」
- 文部科学省担当者「帰って来た時も義務教育期間内という前提は崩さない」
- 奈良のシカ「角より先に覚悟を磨いて待つ」
国際表現
俳句
火星待ち 校歌は真空 響かざる
時遅延 未来の鈴が 鳴る遠足
砂赤く 足跡永久の 出席簿
光速の バスが呼び込む 春の夢
帰り道 千代に八千代に 修学旅
宇宙食を カレーで統一 平和説
遅刻ゼロ 宣言揺らす 宇宙塵
名簿だけ 地球に残る 昼下がり
赤星へ 家庭科室の 鍋飛べり
十四億 時の彼方で ピースサイン
漢字
火星集合修旅自動計画千四百万年遅延授業編成
絵文字
🪐🚌🎒👨🏫📚⏳
擬
ゴゴゴ…ピューン…シーン…ワクワク…カチカチ…ザザッ!
SNS
- #火星第3駐車場で待ってます
- 地球の終業ベルより遅く帰宅予定
- AI頼んだら宇宙規模の自由行動😇
- #修学旅行 #時間遅延
- シカへのおみやげどうする問題
- 1400万年ぶりの三者面談
- カレー煮込みっぱなし部屋が熱い
- 未来の校長先生へバトンタッチ
- #MarsFieldTrip #SpaceKids
- うちの子の防犯ブザー届きますか?