残業代の代わりに宇宙へ。社畜の「卓上DIYロケット」が現代アート最高額で落札
「もう帰れないなら大気圏を突破するしかない」。深夜のオフィスで退勤を諦めた会社員が、稟議書の裏紙とエナジードリンクの空き缶で小型ロケットを打ち上げる奇行が急増中。絶望を推進力に天井へ突き刺さった無残なオブジェは、資本主義の果てを体現するアートとして海外で数億円の値を付けた。なお、落札額はすべて会社の雑収入として計上された。
19日、都内の総合商社からニューヨークのサザビーズに出品された謎のオブジェが、3億4000万円という現代アートの記録的な価格で落札された。その作品名『午前3時の大気圏突破』は、著名な芸術家の手によるものではない。入社3年目の若手社員が、5日連続の徹夜明けに無意識で作り上げた「卓上DIYロケット」である。
発端は、度重なる仕様変更と差し戻される稟議書に自我を失いかけた社員が、「もはや終電で家に帰るより、重力を振り切って宇宙へ帰る方が現実的だ」と気づいたことに遡る。エナジードリンクの空き缶を燃焼室に見立て、シュレッダーのゴミから抽出した微量の可燃物と溜め込んだ不満を充填。差し戻された決裁書を空気抵抗を計算した流線型のフェアリングとして巻き付けたそのロケットは、静寂のオフィスで強烈な破裂音と共に打ち上げられ、見事にオフィスの防音天井に深々と突き刺さった。
この「絶望の打ち上げ」はSNSを通じて瞬く間に全国のオフィス街へと延焼した。現在、深夜のビル群では窓ガラス越しに小さな閃光が明滅する現象が相次いでいる。「プルタブを利用した二段式分離ロケット」や「未払い残業代の請求書で作った耐熱シールド」など、労働基準法違反の数に比例してロケットの技術的完成度が高まるという、文部科学省も顔面蒼白のイノベーションが巻き起こっているのだ。
事態が急変したのは、視察に訪れた海外のアートディーラーが天井に突き刺さったままの無残な空き缶ロケットを発見した瞬間だった。「見事だ。このひしゃげたアルミの質感と、朱肉で『再提出』と押された紙の焦げ跡。資本主義の搾取構造と、そこからの逃避願望という現代人の魂のSOSが完璧に可視化されている」と大絶賛。天井のパネルごと切り取られ、即座に海を渡ることとなった。
しかし、この現代のシンデレラストーリーには、極めて現実的で冷酷なオチが待っていた。3億4000万円という莫大な落札額に対し、税務署と法務部が出した結論は「勤務時間中に会社の備品(裏紙)とゴミ(会社のゴミ箱に捨てる予定だった空き缶)を使用して制作されたため、著作権および所有権は法人に帰属する」というものだった。結果として、落札額はすべて会社の「雑収入」として計上され、次期社長専用の黒塗りの高級車購入費へと消えていった。
今宵もまた、星の見えないビルの谷間で、青白いPCモニターの光に照らされた若者たちがせっせと工作を続けている。彼らに残業代が支払われることはない。しかし、その手にはエナジードリンクの空き缶が固く握られている。いつか自分の魂だけでも成層圏へ到達することを夢見て、彼らは今日も会社の備品をロケットに変える。絶望という名の無限の推進剤が尽きることは、当分なさそうである。
関係者のコメント
- 開発した社員「月には残業も未読チャットもないと聞きました。次は火星を目指します。」
- 会社役員「社員の創造性が直接的に会社の収益(雑収入)に直結した素晴らしい事例だ。来期からはダンボールと輪ゴムを支給する。」
- アート評論家「あの曲がった空き缶には、近代社会が失った野生の叫びと、カフェイン中毒者の手の震えが宿っている。」
- 労働基準監督署の職員「ロケットの打ち上げに要した時間は深夜割増賃金の対象になるか、現在宇宙航空研究開発機構(JAXA)と協議中です。」
- エナジードリンク「カフェインとタウリンがまさかロケット燃料になるなんて、私のパッケージには一言も書いていないんですが。」
- オフィスの天井「最近、毎晩のように鋭利な稟議書が突き刺さってきて痛い。私は発射台ではない。」
- 海外の落札者(富豪)「このオブジェを見ていると、私の代わりに極東の島国で誰かが苦しんでくれているという深い安らぎを得られる。」
- 経理担当者「『現代アート売却益』という勘定科目を新設すべきか、税理士と小一時間揉めています。」
- ビルの清掃員「ただのゴミだと思って危うく捨てるところだった。数億円の損害賠償を請求されずに済んでホッとしている。」
- 人事部長「彼らには宇宙空間ではなく、来週の経営会議に向けて大きく羽ばたいてほしいのだが、まったく伝わっていないようだ。」
国際表現
俳句
- 深夜便 帰れぬ街の 空き缶飛ぶ
- 天井に 刺さる稟議や 春の月
- エナドリの 空に描くや 逃避行
- 残業代 ロケットと化し 宇宙へ
- 春の夜 雑収入に 消ゆる夢
- カフェインの 炎上げたる 徹夜かな
- 決裁の 紙焦げて飛ぶ 春一番
- 星見えぬ デスクで創る 銀河系
- 資本主義 嘆きを乗せて 飛ぶ空き缶
- 打ち上げし 魂は高く 額はゼロ
漢字
深夜残業会社員帰宅断念 空缶裏紙卓上小型推進機作成 天井突刺無残芸術作品昇華 海外専門家資本主義評価数億円落札 全額会社雑収入計上社畜悲哀
絵文字
🏢🕛😫☕️➡️🚀💥💥➡️💸🏛️🎩➡️🏢💰😭
擬
カタカタカタ……プシュッ。 ゴクゴク、グシャッ。 ビリビリ、ペタペタ。 シュボッ!ギュルルルル……ドスッ! ザワザワ、パシャパシャ。 チャリンチャリン、チーン。
SNS
- #卓上ロケット ついにうちの部署でも打ち上げ成功しました!なお天井の弁償代は自腹です。
- エナドリの缶が3億円になるなら、俺のデスクの下の魔境はすでにドバイを超えているはず。
- 雑収入に計上されるの理不尽すぎて草。いや草も生えない、宇宙空間だから。 #現代アート
- 次のボーナス、ワンチャン「ロケット打ち上げ手当」とかつかないかな?
- 会社の備品で作ったから会社の物って、じゃあ俺の徹夜のストレスも会社で買い取ってくれよ! #資本主義の限界
- あのロケット、よく見ると「経費削減のお願い」のプリントでできてるの皮肉効きすぎだろ。
- 天井に刺さってる間だけ、少しだけ自由を感じられるんだ……
- 月に行きたいんじゃない、ただ布団に行きたいだけなんだよなぁ。
- JAXAは今すぐ日本の社畜をスカウトすべき。無限のエネルギー源がここにあるぞ。 #社畜ロケット
- 落札した海外の富豪、絶対に性格悪いだろwww